2013年8月22日木曜日

江戸の超絶技巧・スーパーリアルな「生人形(いきにんぎょう)」

生(活)人形にすっかり魅了され、もっと見たくて図録を入手しました。
ここ数日、私の頭と心は生人形で埋め尽くされています。

2004年に熊本市現代美術館と大阪歴史博物館で開催された
「生人形と松本喜三郎」展の図録です。

熊本市現代美術館には生人形が展示されているのです。

人形師 松本喜三郎

松本喜三郎作 貴族男子像 1878年

現在、アメリカのスミソニアン博物館にあるのです。
現存する唯一の松本喜三郎作・生人形の全身像。

髪の毛は本物(つまり人毛)、まつげも1本ずつ植毛されているというのです。
そして、この肌の質感!

像高171.5cm 等身大です。
木彫(桐) 上腕の血管まで再現されています・・・
さらに驚くことに、作業は一人でこなしていたといいます。

この像の足裏に‘松本喜三郎’の文字が刻印されてます


松本喜三郎のライバルといわれていた
安本亀八作。

二人は同郷、熊本の生まれで年齢も1歳違い。まるで奇跡です。

こちらもスミソニアン博物館所蔵の生人形
鼠屋伝吉作 農夫全身像 19世紀後半 像高158cm

上腕の血管に注目!!
‘鼠屋’に‘伝吉’です。かっこいい名前だなぁ~


膝の皮膚の質感の違いも見事です。

こちら、松本喜三郎作 官女(頭部)

松本喜三郎の真骨頂は、肌の質感の驚異的な再現にあるそうです。
この官女の肌はちゃんと白粉をはたいた肌です!


これは1910年(明治43年)の写真です。
等身大の生人形をこんな風に展示して興行していたそうです。


こちら松本喜三郎の晩年の弟子・江島栄次郎の作品


熊本市浄国寺の「谷汲観音像」

松本喜三郎が見世物として作った後、あまりの出来栄えに
観音像として祀られた不思議な像です。
さらにその後、像が傷み弟子の江島栄次郎が修復しました。


‘美術’の概念のない時代に、西洋の影響をまったく受けずに
これほどの木彫が日本に存在していたことに心を激しく揺さぶられます。

生人形を目の当たりにした当時の西洋人は、
嫉妬を通り越して驚愕したことでしょう。
動かないのが不思議なほどの超絶レベルではないでしょうか。

京都を訪れた際、‘日本は平面の文化’などではないと、
強く実感したことを思い出します。

フィギュアの人気、3Dプリンターの普及はいかにも現代的ですが、
江戸から明治にかけての天才の仕事を見に、
私は熊本に行ってみたい!


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10 件のコメント:

  1. はじめまして。どうやって図録を手に入れることができたのですか?
    差支えなければ、教えていただけませんか?

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  2. はじめまして。私はヤフオクで入手しました。¥6,000くらいだった記憶があります。何度も、何日も検索しつづけていたある日、ヤフオクに出品されていました。その後、インターネットで九州の郷土史専門書店で取り扱っているリストに載っているのをみつけましたが、通販をされていた記憶がないのです。お気に入りを確認しましたが、そこにはなく、名前も思い出せないでいます。他にインターネットの古書サイトでもたまに見かけていましたが、1万円以上の値がついていましたね・・・

    返信削除
  3. 追伸:復刊ドットコムにリクエストする方法もあると思います。九州の書店名は思い出せないでいます。郷土史専門の書店だったとおもうのですが・・・

    返信削除
  4. 思い出しました!天野屋書店 熊本 で検索してみてください。通販のカートは見当たらないので電話かメールで問い合わせる方が良いかもしれません。松本喜三郎とか生人形ではなく、もしかすると「百物天真創業工」でヒットする可能性もあります。無事入手されると良いですね。

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    返信
    1. 城下さま
       早速、たくさんの情報を教えて頂いてありがとうございます。感激です!
      私は、大阪の歴史博物館で観たのですが、図録を購入せずずっと後悔していました。
      何としてでも、今回手に入れたいと思います。教えて頂いた情報をもとに頑張ります!
                                                    かくた
       

      削除
  5. 実物をご覧になられたとはうらやましい!! 江戸東京博物館の生人形で触発されたのか、ヤフオクやインターネット古書でも売り切れ続出ですね。私も当初は諦めて復刊ドットコムにリクエストしようと思っていました。無事に入手されますように!

    返信削除
    返信
    1. 城下さま
      こんばんは、角田です。
      先日色々教えて頂いた情報をもとに、天野屋書店さんで問い合わせをしてみました。
      残念ながら、現在もちあわせがないとか。もし入手されたら連絡していただけるよう
      お願いしました。連絡を待ちつつ、オークションでも探してます。(その1)

      削除
  6. (その2)
    さらに、熊本現代美術館で図録を注文いたしました~
    『Art Gamadas』第4巻と『生人形と江戸の欲望展』の図録です。
    届くのが楽しみです!

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  7. (その3)
    城下さま、またまた角田のコメントで失礼します。
    先日、松本喜三郎の図録を調べているうちに、城下さまのブログにたどり着き、本当に良かったなと
    思います。

    城下さまの興味を持たれていることに、共感することが多々あり嬉しくなってしまいます!
    多分、同年代(私は昭和43年生)かなと思っています。
    生人形、古楽、澁澤龍彦、四谷シモン等々。私の興味のあるところです。

    4月に東京でバルテュス展があるそうです。もしかしてご興味ありませんか?
    私は、京都で観る予定です。

    角田

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  8. コメントいただきうれしく思います。私も熊本現代美術館の図録等の購入を検討しておりました!その2点後日入手してみますね。

    なぜわかったのだろうと笑いが出てしまいますが、確かに同年代の私は1年上ですw
    本当に興味があるところが似ていて驚きますね。
    いままで自分は隙間に生きる少数派だと思っていたのですが、
    ブログやツイッターを始めてみると意外にも同じような人たちとつながることが多く、
    日々のブログネタに苦しみながらアップしている記事に共感してくださる人の存在に驚かされています。もちろん、うれしい驚きです。

    バルテュス展のことは初めて知りました!
    東京と京都ですか。
    東と西の日本の文化の地ですね。
    同じ展覧会もきっと違って見えることでしょう。

    どちらかの会期中にご縁があれば見てみたいところですが、
    遠い北の地ですからね、いえ、ご縁があればきっといけるでしょう。

    いろいろ教えてくださってありがとうございます!

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